【論文メモ】Cosolvent-Based Molecular Dynamics for Ensemble Docking: Practical Method for Generating Druggable Protein Conformations
とりあえず手法の理解まで。
論文情報
S. Uehara & S. Tanaka, "Cosolvent-Based Molecular Dynamics for Ensemble Docking: Practical Method for Generating Druggable Protein Conformations", J Chem Inf Model 57, 742-756, 2017. doi: 10.1021/acs.jcim.6b00791
どんな論文?
- アンサンブルドッキングに用いるタンパク質構造を、cosolvent MDを使って生成
- MDで生成された多数のタンパク質構造からアンサンブルドッキング用の代表構造選出手法を提案
- 通常のMDに比べて、cosolvent MDを使うことでアンサンブルドッキングの性能が向上した
背景
- ドッキング計算はタンパク質の構造変化を考慮しないため、現実に即していない部分が存在
- タンパク質の柔軟性を考慮する一つの方法として、アンサンブルドッキングがある
- 実験的に得られた構造だけではアンサンブルが不十分であることもあり、MDに基づくタンパク質構造生成が有望
- Induced fitによるタンパク質構造変化を起こすためには、化合物のような分子がMDの系に必要。
- また、MDで得られた多数の構造から有望な代表構造群を得ることも重要な課題
手法①:cosolvent MD (CMD, Mixed-solvent MD, MSMD)
- cosolvent MDでCryptic pocketを出現される手法が存在、ポケットを拡張できる
- Isopropanol, benzene, purineの3種類について、それぞれ0.25Mの濃度で追加した系を独立に作成
- 50 ns のシミュレーションを行い、1psごとに合計50,000 件のタンパク質構造を取得
手法②:代表構造の選出
- 多数の構造について、単純にbinding pocketのRMSDでclusteringしてもドッキングに適さない構造が代表構造として含まれてしまう
- そこで、KMeans clusteringで500件まで絞って、そのあとにRSPI (Rank-based Screening Performance Index) に基づいて10件のタンパク質構造をアンサンブルドッキング用の構造とする
- RSPIは、簡単に言うと「Activeのドッキングスコアが高くなるようなタンパク質構造をアンサンブルドッキング用の代表構造とする」ための指標
手法③:アンサンブルドッキング
- AutoDock Vinaを利用してアンサンブルドッキングを実施
- アンサンブルを取る際には、最良値を取る/平均値を取るという2パターンを試した。
- また、比較対象として、通常のMDによる構造群、APO体構造、HOLO体構造の3パターンを用意
データセット および 評価指標
- DEKOIS 2.0から、6件の標的タンパク質を選択
- DEKOIS 2.0のActive 40件、Decoy1,200件を利用
- 6件のタンパク質について、APO体/HOLO体をPDBから取得
- BEDROC (alpha=20.0) と AUROC で評価
結果と考察
(これから読む。)