IQ1な頭の中身を軽くして生きよう
この記事はIQ1 Advent Calendar 2018の14日目の記事になります。
(※1 前もって記事を書いてたらアドベントカレンダーのこと忘れてた…)
(※2 最近 意識高そうな 本があんまり読めてないのでタイトル変えましたテヘペロ)
この記事の概要
人間の記憶に頼ることを止めて、PCやスマホなどを活用して記憶を実質無限にしようという話です。 私がやっていることをベースにするためEvernoteの利用を仮定しますが、その他のツールでも実現可能な話だと思います。
はじめに - 問題提起
IQ1だと記憶力もたないんです。
- 「メール打たなきゃ」と思い出しても次の瞬間には忘却の彼方。申し込み忘れたぁぁぁ
- あのメールはどこだ?あのデータは?え、もしかして削除した!?
- 過去の自分は何をしていたのだろう(哲学)
こういう記憶の探索って、すごく虚無だし、せっかく調子よく作業しているのを邪魔されるのでとてもイヤなんですよね。 だからといって、付箋やノートに物理的に書き溜めると、IQ1なのでどこに置いたか忘れて今度は物理探索作業になるという。
定量的に考えてみましょう。「探し物」にかける時間について、いくつか調査報告があります。
- 日本人は年間 約15時間探し物に費やしている(米Zippo社 2014年頃の調査、1次ソースリンク切れ)
- 勤務中に探し物をしている時間は年間150時間(大塚商会 2014年の記事、記事リンク切れ)
- 「探し物をするためだけに1年間に150時間も浪費している」(リズ・ダベンポート『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』)
- 日本人が探し物に費やす時間は年間で約145時間(米TrackR社 2017年11月の調査、概要)
…Zippo社のデータの値が非常に少ないのが気になりますが、まあとりあえず年間で約150時間、1週間弱の時間を浪費しているそうです。*1
そんなわけで、物理的に、ではなく、電子的に、しかも適切な方法でメモを取ることで 無駄な時間を削減し、効率的に作業を進めることで気持ちよく、ささっと作業を進めようというのが この記事の本旨になります。
この記事に期待される効能
- 外部記憶としてメモを残すことで、記憶保持の時間を延長させ、記憶の改ざんを防ぎます。
- なるべくテキスト形式で保存することで極力検索を可能にし、記憶の探し物の時間を削減します。
- 記録方法、検索方法案を示すことで、面倒になってやめてしまう可能性を減らします。
手法
1. 基礎編:とりあえずやろう
とりあえず困ったことはあるし改善はしたい。でも面倒なことはしたくない。 そんな人に向けた、必要最低限のやり方を記述します。
1-1. メモは1箇所にまとめよう
物理的に紙とペンでメモを取ることをイメージしてほしいのですが、 さまざまな場所にメモを取ると「あれってどこに書いたっけ??」となったりしますよね。 それを避けるためにも、メモを取る場所は1箇所にまとめましょう。
最近はクラウドサービスのおかげでPCとスマホ、さらにはiPadみたいなタブレットと、複数の端末から単一の場所へアクセスすることができます。 これをなるべく活用して、どこからでも書き込める「とりあえずあそこを探せばいいはず」という場所を決めましょう。
私はこのメモシステムとしてEvernoteを利用していますが、これにより探す場所は基本的には 適切なツール(予定であればGmailとGoogle calendar、論文であればMendeley、…)と Evernoteだけになっています。
1-2. とにかく「すべて」を「その場」でメモしよう。
綺麗にまとめるとか、下書きと清書を分けるとか、表現の言葉を統一するとか、どんなタグをつけようとか、 こんなことをメモする必要あるのかなとか、そんなことにくよくよ悩む暇はありません。 思いついてしまったことは全部全部、その場でメモしてしまいましょう。
トイレでふと気づいたことを15文字だけスマホに書き込む。絵を描いて写真を取る。 くだらない(と感じる)落書きをする。今ハマっているゲームの攻略法が見えた。 どういう方法でも、どんな情報でもいいんです。
そして、これらの情報を後から書き直さないことが重要です。一度書いた情報を削除するのはNGです。 書き足すだけで、一度書いた情報はread onlyにできるのが最良です。 今必要ないと思った情報があとで必要になることも多く、自分のためのメモであれば文章量が多いことのデメリットも小さいからです。 まあそんなシステムに出会ったことないので、運用でカバーするしかないですけどね…
1-3. 今からやろう
ここまで読んで「まあそうかな」と思ったなら今からやってください。今です。
(IQ1の皆さんならそんな考えるほどの頭は持ち合わせてないですよね?^^) という煽りは冗談にしても、 結局、一番の障壁はメモを取る習慣を身につけることです。 形式にとらわれて面倒になってしまうよりは、雑でもやることが大切なのです。
脊髄反射でメモが取れるようになるまで頑張れば、物事を完全に紛失することは無くなります(容易に取り出せるかどうかは別ですが)。
2. 応用編:検索をうまく使う
基礎編では「とりあえずメモを取れ、つべこべ言わずに」ということを述べました。 この応用編では、脊髄反射感を失うことなく、しかしなるべく検索容易にすることに関するtipsを述べていきたいと思います。
2-0. 検索機能を使おう
前提として言いたいことがあります。「検索機能はすごい」。 本当に大切なのでもう一度書きます。「検索機能はすごい」のです。 検索機能を使わなければ紙の一冊のどでかいノートにメモを取っているのと変わりません。
過去1年、毎日1つのメモを取っていればメモの量は365件になります。それら全てに対して2秒ずつかけて探していたら、 それだけで10分以上もの時間を使ってしまいます。集中が途切れてしまう。
検索機能を活用すれば、探すのは機械の仕事になり、 それっぽいよ!とヒットしたものについてのみ さらさらと眺めれば良いことになるので大幅な時間短縮です。すごいすごーい!
ということで、メモと検索機能は相性が良い。覚えておきましょう。
2-1. 可能なら手書き文字ではなくテキスト化しよう
1-2では、どんな形でもいいからメモにしよう、と言いました。画像でも良いと。 しかし、検索容易性から考えた時には、なるべく手書き文字の画像よりもキーボードで打った文章が望ましいです。
Apple pencilやsurface penなどのペン型の入力デバイスはきわめて使いやすいのですが、
日本語とかいう言語は漢字というクソバリエーションに富んだ文字のせいで手書き文字の認識率が非常に悪く、
まず手書き文字は文字認識したところで検索にヒットしてくれるようにはなりません。
そのため、キーボードやフリック入力できる環境でのメモはなるべくテキスト化することが検索の上で重要になります。 優先順位としては、メモを残さない <<< 手書き文章を残す < テキスト化した文章を残すと思いましょう。
2-2. 印刷物は全て文字認識させよう
2-1.で手書き文字の認識率は非常に悪い、と述べましたが、逆に印刷された文字の認識率は非常に高いです。 配布資料等の印刷物はどんどん文字認識させて、検索にヒットさせるようにしましょう。 (これに付随して、紙の資料は文字認識させるもの、という習慣をつけるために、 手書き文字についても一応文字認識させることをお勧めします)
また、「印刷物」はスキャナに通せるものに限定しません。実験をされる方であれば、 薬品のラベルなども重要な情報です。印刷された文字でできていますので、写真を撮って文字認識させてみると良いでしょう。
ちなみに、スキャンしたPDFデータなどを文字認識するためのソフトウェアはググってみると良いと思います。比較記事など、参考になります。 また、Evernoteは画像を貼り付けると勝手に文字認識してくれるので便利です。すごい。
2-3. ディレクトリ構成やタグ付けなどは無理しない
整理したがりの人だと、ディレクトリ構成を考えたり、タグ名を考えたりすることに時間を使うこともあると思います。 しかし、その頭を使った時間に見合うメリットは得られないことがほとんど、と思った方が良いです。
タグ付けなどは基本的には「今見てる記事に関係する記事をアレコレ見たい」ための機能なのですが、 メモの検索においては「メモからメモへの横移動」は少なく、「検索ワード⇄メモの縦移動」がほとんどです。
そんなわけで、メモ間の関係性は深く考えず、乱雑に1つのフォルダにぶち込むようなことをしてしまいましょう。 その方が楽なのです。
2-4. テンプレートを積極的に使おう
1-2で「すべて」の情報を記述しよう、と書きましたが、入り組んでいる物事をメモする場合、網羅性を担保するのって案外大変だったりします。 そんな時、先持ってテンプレートを作っておくことで漏れを最小限に止めることができます。
例えばあるデータの解析を行う場合、解析を行った手順はもちろん、その解析を行った時のディレクトリをメモすることも、「あのファイルどこにおいたっけ」を防ぐ良い方法です。 であるならば、以下のような要素はテンプレートに必要でしょう。
作業目的
作業ディレクトリ
手順とその結果
考察
気づいたこと・その他
唐突に思いついたことをメモするには適していませんが、じっくりメモを取りながら作業を進める場合にはテンプレートは便利なツールです。
終わりに
たくさんの物事を記述した結果、4,000文字を超える文章になり、そんな長ったらしい文章をここまで読んでいただきありがとうございます。
私も過去の自分の思考にアクセスする方法をいろいろ試行錯誤している段階ではあるのですが、 現時点でのアイデアなどを一度公開しておくのは良いかなと思い、この記事を書いた次第です。
様々な意見を取り入れて、より良いIQ1 lifeを過ごしていただければ幸いです。以上!
*1:これらの調査は物品(財布など)の落とし物も含まれていることに注意