文字化することで他人の良い所を具体的に見つける

自分がもっと良い人間になりたいと思うなら、しばしば会う人の良い所を具体的に見つけることが一番簡単だ。 『あの人、常に相手の立場に立って物事を考えている』『自分の作業をちゃんと定期的に報告している』『謙虚で、部下の意見もちゃんと聞いて取り入れている、あそこの部下は自発的に仕事できているようだ』 なりたい姿が具現化されていて、日常生活の中で何度も思い出すことができる。どうやるか、何に気を付けているのか聞くことすらできる。


しばしば会う人の「良い所」を、しかも「具体的に」見つけることは案外難しい。 これについて、私は常に「文字化」するのが良いと思っている。

他人の悪い所というのは見つけやすいものだ。『あの人って気配りが悪いよね』『○○さんって怖くない?』『なんでああいうモノの言い方をするのかね』『判断が遅いよね』『なんで言う通りに動いてくれないの?』イヤな気持ちはあんまり忘れられないし、ムカムカしたら他人に言いふらしたくもなる。伝播力は強い。

さらに、他人の良い所を具体的に見つけるのは思ったより難しい。『あの人すごいよね』『なんか、いいね』『一緒に仕事してると楽しい』『あのグループがうまくいってるのは、あの人のおかげらしい』感覚的に「良い」ことはわかるのだけれど、すごいなあ、いいなあ、という感想で終わってしまう。


そこで、文字に書くわけである。文字に書くと、自分の思考を客観視することができる。 例えば、『一緒に仕事してると楽しい』という文字を書く。この事実は自分が真似して行動できるだろうか。違いそうだ、と思ったら、「なんで一緒に仕事してると楽しいんだろう?」と考える。そうすると、『ユーモアがある』『ちゃんと話を聞いてくれる』『仕事が前に進むように手助けしてくれてる』と、理由がいくつか出てくる。さらに、『ちゃんと話を聞いてくれる』とは何だろう?と考える。『意見を否定しないで聞いてくれる』こと?『良い報告を聞いて、自分のことのように喜んでくれる』こと?『問題があるときに、一緒に考えてくれる』ことかもしれない。これを木のように細かく分割することで、自分ができることが明確になっていく。

1時間かかったとしても、1時間で自分の改善方針を見つけることができるならラッキーなものである、と僕は思う。

※ この方法、どこかの本で読んで「なるほど!」と思った方法なのだが、どこか忘れてしまったので出典は明記できず。残念である。